リベラルロジック株式会社は、2024年12月16日にNVIDIA GPUコンピューティング環境の最適化に貢献する測定ツール’NVGMON’を発表しました。
近年のGPUは強力な演算能力を獲得した反面、消費電力や発熱が大きく、GPU本来の演算能力を維持するためには、ハードウェア側での適切な熱対策が必須です。 熱対策が不十分なハードウェアの場合、GPUに内蔵されている保護機能が働き、意図的に動作周波数を下げるなどして発熱量を抑える処理が行われます。 つまり、いくら高価なGPUをシステムに搭載していても、熱対策が不十分なハードウェアの場合には高価なGPUの処理性能が発揮される事も無く、更にはそういった事が起きている事にも気づかない、といったことが平気で起こり得るのです。
NVGMONは、NVIDIA GPUの状態を直感的に把握できるGUIツールです。 システムに搭載されている全てのNVIDIA GPUの温度を監視できる他、性能低下要因となり得る状態フラグの監視機能まで搭載されています。
ところで、コンシューマー市場には、類似機能を備えたツールが各種存在します。 なぜ今、このようなソフトウェアを新規開発したのでしょうか?
コンシューマー市場に展開されているツールの殆どは、システムに対する設定機能を兼ね備えたものになっています。 ある一定の条件に従ってシステムの設定を変更し、同時にそのツール上で状態を監視するというものです。 この挙動は、個人のゲーミング環境での用途など、コンシューマー市場に向けたPC環境であれば問題ありません。 しかし、業務用映像音声機器を実現する事を考えた場合、内部で何が行われているか分からないツールを使うことは、環境再現性を著しく低下させてしまうという意味で問題があります。
このような背景から、NVGMONは純粋な計測機能のみを搭載したツールと位置付け、システムの状態を端的にユーザーに知らせるものとして設計しました。 計測にはNVIDIA社が公開している正式なインターフェースを使用し、加工しない情報をユーザーに提供することで、ユーザー自身がシステムの状態を素直に見られるように意図されています。
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