preloader

近年、新しい映像表現を可能にするゲームエンジンを使ったバーチャルプロダクションが海外を中心に広く浸透してきており、国内でも先進的な視点を持つ企業が活発な取り組みを続けている。

news-thumb

近年、新しい映像表現を可能にするゲームエンジンを使ったバーチャルプロダクションが海外を中心に広く浸透してきており、国内でも先進的な視点を持つ企業が活発な取り組みを続けている。 ゲームエンジンを使ったバーチャルプロダクションの場合、計算機内部で構成した仮想的な3次元空間にコンピュータグラフィックスによるオブジェクトを多数配置し、加えて仮想的なカメラで仮想的な3 次元空間を撮影することで、現実世界との混成を実現する。 この手のシステムは現実世界に存在しない場所や撮影しづらい場所などの再現には特に有利な反面、全てを3 次元のコンピュータグラフィックスオブジェクトとしてモデリングしなければならないため、撮影した方がコスト的に有利という場面にも遭遇することがある。 現実世界に存在する背景をそのまま活用したい、何度も同じ景色を再現したい場合、特別な効果を実写背景映像で構成したい、など、いわば実写映像を使いたい場合にCGによる背景が決定的最適解では無いこともある。

このような背景から、我々は実写映像をバーチャルプロダクションシステムに取り入れる中核システムとして「実写背景バーチャルプロダクション最大解像度16K x 8KまでをUnityで実現可能な超広帯域メディアサーバーCrescent 16K Ultra Media Server」を開発した。 このメディアサーバーは、Unity 実行環境を搭載しており、16K8K映像の再生に対応した実写映像をバーチャルプロダクションのオンセットLEDシステムに対して送出するものである。 最大解像度16Kx8Kのような超高精細映像を扱う事、VFXワークフローとの混成を可能にする事、既に数多くのプロジェクトで必須条件となりつつあるHDRに対応する事、外部同期信号に対応する事、などを念頭に開発した。 特に、VFXワークフローとの親和性については配慮し、システムの入力フォーマットにはOpenEXRを採用し、フォーマット変換無しでVFX作業チームとの連携が可能になった。 これらの配慮によりワークフローを簡単に構成できるようになっている。